カッコイイ!
この、「ぼくは猟師になった」という本、実に良かったです。
「豆狸(まめだ)はなあ、わしが小さい頃は裏のお寺の床下にぎょうさんおってなあ。目ぇギラギラさせて何十匹もおったわ。」
という、著者の大叔母の言葉から始まります。
「となりのトトロ」に出てくる真っ黒クロスケが、この豆狸ですね。
で、こう続きます。
〜〜〜〜〜
数年前、もう九十歳を超える大叔母とまた豆狸の話をしていると、横で話を聞いていた母が「最近はあんまり見んようになったわねー。おばあちゃんの頃はようけおったんやねー」
〜〜〜〜〜
著者のお母さんは、昨年他界した私の母よりもかなり年下だと思うのですよ。頭もしっかりしているでしょうし、息子が京都大学に行くくらいだから、聡明な方なのだとも思います。
そういう人が、ごく当たり前のように、「最近はあんまり見んようになったわねー」と言うのですから、真っ黒クロスケは実在するのでしょう。
この本を読んで、私はそう信じちゃってます。
さて。
昨夜は仲良しのお客さんと遅くまで店で飲んだので、片づけを終えて帰宅したら、丁度3時になっていました。
そんな時間なのに、家に入ると、息子の目覚まし時計が鳴っています。
「としくん、としくん、目覚ましが鳴ってるぞ」
と声をかけると、息子がはね起きました。
一瞬、「なぜ僕はここにいるの?」といった表情をしていましたが、目覚ましを止めて寝直すのかと思いきや、起きて枕元にあるカバンに手を突っ込み、携帯電話を取り出して、電話をしています。
電話を終えると、居間に入って来ました。
友達と待ち合わせて、始発で幕張メッセに行くと言います。
一昨日、遅刻多発で学校に呼び出された息子ですが、遊びとなれば3時にしっかり起きています。
私は夜食、息子は朝食を食べながら、話をしました。
「父ちゃんもな〜、高校生の頃は、毎週日曜日には必ず早起きして釣りに行ったよ。今考えると信じらんないよ。こんなクソ寒い季節に、川っぺりに一日座って、寒くて寒くて仕方ないのに、釣れても釣れなくてもそれが面白くて面白くて仕方なかったんだよな〜」
そんな話をしていたら、息子はまさにその当時の私と同じ年齢なのだという、ごく当たり前のことに気付きました。
そう思ったら、なぜかとってもイイ気分になって来ました。
酔いもあって、普段は喋れないことまで口から出てきます。
「父ちゃんはさー、よその父ちゃんと違って、お前にイイ大学に行ってイイ会社に入って欲しいなんて、全然思ってないんだよな〜。そりゃ最初は自力じゃ食えないかもしれないから、修行で会社員やってもいいけど、ヘタにイイ会社になんか入っちゃったら、出るのが惜しくなっちゃうかもしれないからな〜。だから好きなことやって遊んでるのは、全然問題ないんだよな〜。父ちゃんもそうだったからな〜」
そして、冒頭にあげた本の話をしました。
「この本、イイぞ〜。父ちゃんはもう読み終えるから、お前、読めよ。この人、京都大学行ったのに、小さな建設会社で働きながら、猟師やってるんだって」
すると、息子は即座にこう言ったのです。
「カッコイイ!」
この一言で、私の心配は何〜〜〜もなくなりました。
「フ〜ン……」でも 「へ〜」でもなく、「カッコイイ!」
ものすごくものすごく嬉しくて仕方ありませんでした。
暖かな日差しの中、このブログを書いています。
「カッコイイ!」の一言を思い出すたびに、幸せな気持ちになれます。
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- 2011.12.17 Saturday
- つれづれ……
- 13:56
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- by 五十田三洞





